RHL8.0 で VMWare3.2

RHL8.0 (実際はこちらのRed Hat Linux 8.0) に VMWare Workstation 3.2 をインストールして、さらに RHL8 を複数VMWareのゲストOSとしてインストールして、OpenPBSをテストするマルチCPUサーバにしました。

内容

2003-02-25桑村 潤

実在マシンへのRHL8.0のインストール

CDROMブート後、

boot: linux dd

でインストーラを起動します。

(dd パラメータはマシンを提供するメーカーからのドライバを途中で読み込ませるために指定しました。)

とりあえず、パッケージの選択ではフルインストールにします。

(パッケージの選択している時間のゆとりがなかったのと、サーバのテストとはいえ開発環境も欲しいと思いますので。) ここでは、ホスト名を server としておきます。ドメイン名も適当に決めて下さい。

リカバー用のフロッピーディスク(FD)を作っておきましょう。

(rootパスワードを忘れたとき、このFDを使って、

boot: linux single

のようにして起動するとシングルユーザーモードになり管理作業が行なえます。)

パッケージのアップデート

Red Hatネットワークを使ってパッケージを最新のものにアップデートしておきます。

この作業を行なうには、インターネット上の Red Hat のサイトにHTTPプロトコルで接続できる環境でなくてはなりません(プロキシ経由でもかまいません)。 デフォルトのGNOMEデスクトップが立ち上がった状態で、左下の [メインメニュー] から、

->[システムツール]->[Red Hat Network] 

を選択して、起動されたアプリケーションのプロンプトに従って指定をします。 Red Hat Network への登録をしてアップデート情報を取得し、アップデート作業へと進みます。

使っているマシンのデバイスドライバはデバイスメーカ提供のもののためkernelアップデートをしたときの相性に不安があるので、アップデートするパッケージは "kernel*" 以外 としました。 ファイルの更新を検知する tripwire のデータベースを初期化しておきます。

/etc/tripwire/twinstall.sh

VMWare 3.2のインストール

VMwareダウンロードサイトからVMware Workstation 3.2 をダウンロードし、インストールします。ライセンスは所定の手続きを経て取得する必要があります(日本の代理店もあります)。VMWare パッケージをインストールした後、

vmware-install.pl 

を実行するとVMWare自体のインストールと構成が始まります。ネットワーク(TCP/IP)を使えるように設定します。このネットワークは自動設定もできますが、インストール後に調べたい場合は、vmware のサービスが起動された後に、ifconfig コマンドを実行して vmnet1 という名前のドライバの構成で見ることができます。

# /sbin/ifconfig -a
...
vmnet1    Link encap:Ethernet  HWaddr 00:50:56:C0:00:01  
          inet addr:192.168.218.1  Bcast:192.168.218.255  Mask:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:100 
...

ここでは、192.168.218.0/255.255.255.255.0 のCクラスネットワークで構成されています。このインターフェースのネットワーク内のアドレスは 1 です。

さらに、RHL8.0 ではGuest OS終了時にVMWareが落ちてしまう問題があるため、 vmw-rh-patch.tar.gz というパッチを入手して当てます(この名前で検索するとパッチについてのAnswerページが見つかりました)。

VMWareがインストールされていればこのパッチを展開して含まれているrunme.plを実行するだけです。

Guest OSのインストール

VMWare上にインストールするOSのことをGuest OSと言います(これに対してVMWareが稼働しているところのOSはHost OS) 。ここでは、Host OSと同じ RHL8.0をGuest OSとしてインストールします。

VMWareにGuest OSとして RHL8.0 をインストールする際は、テキストモードで行なうよう注意します。

デフォルトのグラフィカルモードではビデオアダプタの検出に失敗するため、X11ウィンドウシステムが立ち上がらずインストールができません。 テキストモードでインストールする際のブートは、

boot: text

と入力します。

インストールは英語モードで行ない、パッケージセットはほぼデフォルトのサーバにします。ただし、

とりあえず、ここでインストールしたGuest OSのRHL8.0のホスト名を linux1 としてネットワーク内でのアドレスを 11 にしておきます。

この要領で、あと2つほどGuest OSのインストールを行い、それぞれ linux2linux3というホスト名を与え、それぞれ、ネットワーク内のアドレスを 12 と 13 にしておきます。

                   +---------Host-OS--------+
                   | server                 |
                   |                        |
                   | Guest-OS-+  Guest-OS-+ |
                   | | linux1 |  | linux2 | |
                   | +--------+  +--------+ |
                   |       Guest-OS-+       |
                   |       | linux3 |       |
                   |       +--------+       |
                   +------------------------+

vmnetネットワークの構成

VMWareにインストールされたLinux Guest OSはそれぞれ異なるMACアドレスを持つEthernetアダプタがエミュレート(PCNet PCI II)されます。このアダプタはLinux Guest OSでは eth0 というデバイス名になり、Linux Host OS側では vmnet1 というデバイス名でネットワーク接続できるようになります。

                        +--------+  +--------+  +--------+
                        | linux1 |  | linux2 |  | linux3 |
                        +----+---+  +----+---+  +----+---+
                         eth0|*.11   eth0|*.12   eth0|*.13
                             |           |           |
         o-------+-----------+-----------+-----------+-------o 192.168.218.0/255.255.255.0
                 |
              *.1|vmnet1
             +---+----+
             | server |
             +--------+

追記:VMWare4.0へアップデート

VMWare-workstation-4.0はRHL8.0にも対応してますのでパッチをインストールする必要はありません。既にVMWare3.2をインストールして使っている場合は、実行中のバーチャルマシンがあれば終了して、vmnetデーモンを停止してからアップデートを行ないます。

(実行中VMwareの終了)
# /etc/init.d/vmnet stop
# rpm -Uvh VMware-workstation-4.0.0-4460.i386.rpm

VMWare-workstation-4.0をインストールしたら、メニューから[Help]->[Enter Serial Number...]を選択してライセンス番号を入力する必要があります。

次は、VMNet で繋ぐ RHL8.0のネットワーク構築です。